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2007/04/09

富民と農民工~リッチマン・プアマン

日曜日の朝、NHKのBS衛星放送を見た。みんなのアンコールと題して最近放映した番組の中で反響の多かった番組を再放送する番組を何気なく見てみた。しかし、それは現在、猛烈に経済発展している中国の想像しなかった一面を見せられハッとし、格差が叫ばれている日本の現状をはるかに凌ぐ中国と言う大国の陰を知らしめていた。

激流中国」シリーズの中の「富民と農民工」というタイトル。始まってすぐ、家族のために農村から都会に出稼ぎに出てきた農民が、わずかな日当のために重労働をしている姿が映し出される。このうちの同郷の二家族にスポットを当てていた。

一人は娘の高校の学費を稼ぐために出てきたAさんと息子、もう一人はまだ幼い息子(現在7歳)を郷里に残して出てきたBさん夫婦。Bさん夫婦はまだ2歳だった息子が機械に手を挟まれて複雑骨折をしてその後遺症で動かない右手を再手術するための費用を稼ごうと出てきていた。しかし、今は出稼ぎ労働者が溢れすぎている都会。仕事に炙れることが多く、朝早くから仕事を待っていても仕事がない日が続いていた。自然、夫婦の間も収入がないことが元で喧嘩も起きる。Bさんは外に出て行ってしまい、妻は泣きじゃくる。

一方、まだ20代後半の若い社長夫婦。もともとエリートの父親(共産党幹部)を持ち、一流の大学を出て、3年後、父親のコネ?!(放送では後押しでといっていたような・・・)会社を興し、あっという間に大会社に成長。不動産投資でさらに富を得、株投資もする。巨万の富がさらに富を生む。一戸建ての家を即金で購入する。同じ市内にいくつも物件を持ち、賃貸でさらに儲けるという。

親たちの出稼ぎで郷里に残されている子供たち。この地は農地も乏しく現金収入はほとんどないところだそうだ。出稼ぎ労働者を親に持つ子供たちがほとんどなので学校は寄宿制となっているが、食事は1日2回、おかずは漬物だけだった。夜間にはマイナス20度にも達する宿舎は暖房もないらしく子供たちは互いにくっつくようにして1枚の布団をかぶって寝ている。ある日、学校で「我的将来」という課題の作文を出された。皆、そろって「いい大学に入ってお金をたくさん稼いでママ、パパを楽させたい!」と書いたものが多い。「私は何が何でも科学者になりたい。だから一生懸命勉強をして、そして親を楽にさせたい」と読み上げているうちにその娘が涙声に・・そして泣き出してしまう。席を切ったように、周りの子供たちも泣き出した!!見ている私も涙が溢れて止まらない。

出稼ぎ労働者は1年に旧正月の時しか郷里に帰れない。そのときが来た。子供におみやげを買おうとおもちゃ売り場にやってくるBさん夫婦。一番安いものも高くて買えない。想うように収入も稼げていないようだった。夜行バスで故郷に帰ると子供は道端に立ち待っていた。子供を預けられたBさんの両親もそれほど若くない。Bさんの母親の具合が悪くなる。近くの診療所の医師に見せると血圧が異常に高い。すぐ大きな病院へ行けと言われるも母親は行かないと受け付けない。医療保険制度もきちんと作られていないようで、個人で8割負担だとのこと。子供の手術代もまだ稼げていないのに、無駄なことに金を使わなくて良いと言い張る母親。息子は「俺が借金をする、母さんの体が心配だ!」まるでドラマのようだ。番組ではその後どうしたかは伝えていなかった。

一方Aさん方では、高校に通う娘は成績優秀で成績表を見てAさんは喜んでいた。娘も良い大学に入りたいと考えている。しかし、次年度の学費もまだ稼げていない。そこで、息子の嫁に相談を持ちかける。嫁にも出稼ぎに出てもらいたいと・・・。孫はまだ2歳。承諾したお嫁さんが出稼ぎのために実家に子供を預けようと出向き、実母に子供を渡そうとしても察しているように嫌がり泣き叫ぶ子供・・・。

旧正月も終わりまた都会に皆が出稼ぎに出る日。Bさんも息子に別れを告げようとしても息子は離れない。18歳のAさんの娘でさえ、父親に抱きつき涙を流している。子どもなら誰だって両親と離れて暮らしたくない。このシーンでもまたまた涙が溢れてきてしまう。

これはドラマでも映画でもない紛れもない中国の現実なんだ!この番組を見る前から漠然と世界のどこかでは信じられない壮絶な生活をしている人は居るだろうと頭では想像できても、このように具体的に現実を見せられると今までの想像はいかに甘いものだったか!と反省させらている・・・実感として心底こんなたいへんな生活をしている人がいるんだと胸に訴えてきた!中国も余りに国が大きすぎて隅々まで対応できないんだ。また、国民よりも経済発展を優先してきたツケが廻ってしまったか!

番組の中でも映し出された都会のビルにかかった電光掲示板「皆が豊かになる社会」の文字が虚しい(TT) 他国では有るが貧しい人たちが1日でも早く這い上がれるような政策を打ち出して欲しい・・・心よりそう願ってしまう!この2組の家族は氷山の一角だが、それを加味したとしても、NHKに電話してこの2家族に幸せになってもらいたいと寄付したいらいだ!(;;)

日本の格差是正が問題になっているが、その非ではないもっとすごい格差が起こっている中国。よくわかりました。そして、あらためて日本はそれに比べたらまだまだ幸せな国なのだと感じました。NHKさん、良い番組をありがとうございました!

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