映画「剱岳 点の記」 と TVドラマ[官僚たちの夏」
先日、「剱岳 点の記」(原作 新田次郎)を見に行ってきた。日露戦争後の明治39年(1906年)陸軍は国防のために日本地図の完成を急ぎ、最後の空白地点を埋めるための「陸軍の威信にかけて剱岳の初登頂と測量を果たせ」という命令を受けた測量士たちの命をかけた記録の映画だ。
「死の山」と恐れられている剱岳はその険しさのため多くの測量士をもってしても未踏峰のまま。日本山岳会も登頂を計画しており、「山岳会にも負けてはならぬ」という厳命をも受ける。
しかし、その道のりは想像を絶する。映画は派手さはなく、ほとんどが山岳地帯での映像だ。晴れた日や秋の紅葉の山々は美しいが、山の天気は変わりやすく、雨や雪の降るシーン、特に豪雨や吹雪でのシーンは恐ろしさがひしひしとこちらにも伝わってくる。その当時の粗末な登山用具に測量のための重い器具を持ちの登山は実際どんなに困難だっただろうと想像する。時には自信を失い、時には焦って事故を起こし、命をかけてまでの測量をする意味は?等疑心暗鬼になる。そんな中でも、家族や同僚、先輩などの励ましを糧に各人が少しづつ成長し、仲間意識も強靭になり、不屈の闘志で挑戦し続ける姿。名誉でも利のためでもなく、仕事に誇りを持って挑む男たちに私たちが失くしつつある日本人の心を描いた秀作の映画だと思う。映画のパンフを購入するが、ロケも季節ごとに何度も山を登り、その当時の測量隊が登った山々を忠実に登って「テント生活」も余儀なくされたそうだ。
測量士柴崎の主演に浅野忠信、山の案内人宇治に香川照之、測夫生田に松田龍平。特に私は宇治役の香川照之が存在感抜群だと思った。よい映画だった。
TVドラマ「官僚たちの夏」は本日7月5日より始まるドラマで、番専の特別番組を見たが、「日本国民のため」に仕事に取り組む姿にどこか先の映画に通ずる気がして今夜から見てみようと思っている。後日、またこのドラマに関しての記事も書くつもりだ!
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