自閉症の僕が跳びはねる理由 東田直樹さん
8月16日(土)の夜、ドラマを観終わって、何の気なしにチャンネルを変えたら、自閉症の若者がパソコンのキーボードを打ち、自分の思いをつづっている場面を目にしているのを見てその番組に引き込まれてしまった。
番組タイトル「君が僕の息子について教えてくれたこと」(NHK)だった。その若者は「東田直樹」さん(22歳)。会話のできない重度の自閉症。といっても、人の会話をきちんと理解している。訓練によって、彼はキーボードや文字盤を使って自分の思いを伝えることができる。
「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」というエッセイを13歳の時に執筆、出版。その他に詩集や絵本など14冊あるという。絵はカラフルな色を使用し、その絵もうまい。その才能にも驚かされる。番組内では自閉症の研究をしている先生を訪問。本人納得の上、脳のMRI撮影をした。その結果から、会話を司る脳が途中途切れているいることがわかるが、正常者よりも大きく発達した表現を司る脳があった。先生曰く、「足りない部分を補おうとして他の部分が発達しているのではないか?」。脳=人間にはそんな能力があるのだ?と彼の才能に納得した。
ところで、8年前に出版したその本「自閉症の僕が跳びはねる理由」をイギリスの作家デビット・ミッチェル氏が読み、翻訳したのを機にイギリス、アメリカでベストセラーになっていて、すでに20か国に訳されて出版されているという。実はデビット氏の息子も自閉症児だそうで、彼は以前日本に住んでいたこともあり日本語が読めたことも幸運だった!デビット氏はこの本がまるで息子が発っしているように感じ、息子の事をとても理解できるようになったという。番組名はデビット氏から見たタイトルだったのだ。
番組ではアメリカとスウェーデンの自閉症の子を持つ家族を紹介。東田さんの本を読んで、自分の子供の心が理解できるようになり、喜ぶ様子を伝えていた。
自閉症にもたくさんの症状があるが、共通して言えるのは「じっとしていられない、大きな声を突然発する、相手の目を見ての会話ができない、ある種の物にすごく執着・こだわりを持つ。」等がある。東田さんもしかり。自分でも制御できないと言っていた。
その後、ミッチェルさんは東田さんに会うため訪日する。そして、会話をした。「わたしは息子にどうしたらベストになるんですか?」東田さんは「今のままで大丈夫。今のままを続けてください!」と。
また、東田さんはニューヨークの医療機関の依頼で渡米。長い飛行時間、じっとできない彼にはつらいのだが、自閉症患者やその家族のためを思い決断した。「自分のために家族は泣かないで欲しい。笑っていて欲しい。」と言う言葉がとても印象に残った。講演は大成功。取材されたアメリカのご夫婦も聞きに来ていて、講演後に本人と会話。記念撮影も収めていた。
彼の本が訳され、世界中の自閉症患者とその家族の多くが救われている。そして、東田さん自身もそれをとても喜びに感じている。健気にキーボードを打ち続ける彼の姿に涙があふれて止まらない。今も記事にしながら涙ぐんでいる私がいる。
自閉症の事をほとんど知らなかった私。この番組ですごく勉強させられた。
最後に、直樹さんの傍らにいつも笑顔で座っているお母さんにも大きな拍手を送りたい。直樹さんもそうだがそれ以上に根気強く彼を理解し、導き、才能を伸ばすには相当なご苦労があったことでしょう!私にはできない、きっと!すごい!素晴らしい!!!
こんな素敵な番組を是非、ゴールデンタイムに再放送をしていただきたい、NHK様。
そして、見落とされた皆さん、機会があればぜひご覧になってみてください!
You tube にもあるかもしれません。
東田直樹さんのブログ
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コメント
▽tomokoさんへ
私も自閉症のことはよくわかっていませんでした。障害者の方を連れた親御さんを見かけた時はただ親御さんは大変だろうな?くらいしか思いませんでした。深く考えたことはありませんでした。偶然に見たTV番組でしたが、本当に感動しました。是非、多くの皆さんにこの病気と患者さんの事、親御さんたちの思いを知っていただきたいという思いが強くわいて、こんな番組がありましたよとお知らせした次第です。
再放送が決定したそうでとってもうれしく思います。言葉では説明しにくい熱い感動がわくと思います。
投稿: タム | 2014/08/23 17:45
見逃してしまった番組のことを、ここで知ることができ嬉しいです!
自閉症の方に接することって、全くありませんが、、、
外見だけで判断してしまうことが如何に間違っているかということ。会話が出来ないでも、豊かな思考をお持ちで。。。 そんな事を改めて教えてもらいました。
東出さんのブログで再放送があることも分かりました。
投稿: tomoko | 2014/08/21 05:29