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2018/08/06

映画「万引き家族」

今年のカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを取った話題の映画「万引き家族」を観てきた。見終わるとなんとも言えない感情が湧いてきて「家族」って何だろう?ととても考えさせられた。

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※まだこの映画を観たことがない方でこれから観ようと思っている方はこれ以下の記事を読まないでください。ネタバレがありますので・・・・ごめんなさい🙇

 

冒頭、父親と息子がスーパーに入る。父親が「あせらずに店員がいなくなるのを気長に待つこと」と言って、いまだと言うときに合図を送り息子が始動。足下に口を開けたリュックを置き、口の中に万引きした品物をそっと落とす。時折、店員が近くに現れた時は父親がスッと息子を見えなくなるように前に立ち物を探すふりでかわす。その日の得物に満足し、帰りがけに揚げたてコロッケを買い二人で我が家に向かう。それは冬の夕方。団地の1階のベランダで一人でいる小さな女の子。前にも同じように寒い日に見かけたことがあった子だったのでコロッケをあげて家に連れてきてしまった。「もう少しましな物拾ってきなよ。」と妻は言いつつ温かいうどんを食べさせる。ゆりというその子は腕にやけどの跡、シャツをめくると体に傷やあざがいくつもあった。「誘拐じゃない?」同居している妻の妹が言う。「誘拐は身代金を要求したときだ!これは保護。」と言い張る父親。それでも深夜、夫婦でその女の子をおんぶして返しに行くが、ゆりの両親が怒鳴りあう声が外に聞こえる。ひとり置き去りにできなかった。

 

この家族の住む家は周りにマンション等ビルが建つ中に取り残された平屋の一軒家。家中には物が多く整理もされておらず足の踏み場がないくらい。家族構成は夫婦・夫の祖母・夫婦の息子・妻の妹。そこにゆりという女の子が夫婦の2番目の子供という形で入ってきた。そのお世辞にもきれいとは言えない家だが、家族間の会話は口は悪いが極めて普通の家族のようで明るい。それ以上かもしれない?!

 

父親はふだんは日雇い労働者、母親はクリーニング工場内のパート、母親の妹はJK風見学店というちょっと怪しげなアルバイト、祖母はときおりパチンコ店で大量に玉を持つ客が席を離れた隙にかすめ取り遊び続けることをやっている。2か月に一度の年金日は家族が待ち望む<定収入>。小学高学年くらいの息子は学校に行かず近くの駄菓子屋で万引きをする。新しい妹を家に置けずひきつれて出かける。「そのうちおまえにも教えるからな!」と言って。

 

春になるとTVで「5歳の女の子が行方不明」と話題になり、ゆりの写真が報道される。両親は親せきに預けていると言っていたが児童相談所が警察に届けたと言う。

 

家族がその子に「家に戻りたい?」と聞くと首を横に振る。新しく<リン>と命名し、髪も短く切って新たに家族として受け入れる。母親は言う『絆よ、絆』

 

また時が流れ、暑い夏がやってきた。父親はケガをきっかけに仕事をやめ、母親はリストラされる。しかし、家族はめげることなく家族中で電車に乗り、海水浴に出かけたり見えない花火大会の音だけを聞いて楽しんだりと明るい笑い声が絶えなかった。

 

でもそんな中で息子の翔太はだんだんこんなことを続けることに疑問を抱き始める。いつもの駄菓子屋の主人から「妹には万引きさせるなよ!」と言われショックを受けたのがきっかけだった。そんな中、一家は祖母が眠ったまま死んだ朝を迎える。「葬式とかどうする?」「そんな金ないよ!」夫婦は彼女を床下に埋める決断をする。「内緒。婆ちゃんは始めからいなかったんだ!」と皆に言い含める。母親は年金を引き出す。祖母の遺品の片づけをしていて<へそくり>を見つけ喜ぶ夫婦。息子は苦々しい顔をする。

 

ある日、息子の翔太がいつも万引きをしていた駄菓子屋を訪れると「忌中」の札が下がって店はしまっていた。ほかのスーパーを訪れた時、妹のリンが見様見真似で万引きをしようとしていたのを見た翔太は妹をかばいわざと見つかるような万引きをして気を引き、逃げる途中逃げ場を失い高いところからとびおりケガをして捕まる。それを聞いて、翔太を見舞うことなく家族で夜逃げしようとした時に全員捕まってしまう。このシーンはちょっとやはり犯罪家族だったんだと悲しい気がした・・・

 

ここからは家族の一人一人が警察により事情聴取されるシーンが続く。そして、驚かされるのは誘拐?された女の子を除いた家族は本当の家族ではなかったことだった。私はその時まであまりに自然(犯罪家族なのだが)にすごす家族だったので疑いもしなかった。

 

 

(祖母だと思っていた)初枝は一人暮らしだったが、(父親だと思っていた)治は初枝と知り合い初枝の家に転がりこむ。(母親だと思っていた)信代は飲み屋をやっている時に治が客で二人はい訪れいい中になり、二人は夫婦のように初枝の家に住むようになった。(息子だと思っていた)翔太は親に捨てられ廃車の中で暮らしているところを治と信代に拾われる。(母親の妹だと思っていた)亜紀は初枝の元夫の後妻が生んだ息子の子供。初枝は元夫の命日には訪問し慰謝料として金を無心していた。また、つながりはないが長女の亜紀を引き取っていた。

 

ということで、家族と思っていた一家は全員が他人だった。でも、家族らしい他人だった。

 

まず是枝監督が選んだ俳優陣が皆凄くて感心。父親役のリリーフランキーさん。是枝監督とのタッグは4度目というがそのとぼけた味というかやはり自然体が素晴らしい。

 

また樹木希林さんはさすが。存在感抜群。すいも甘いも知りえてる感は演技の中でもばっちり伝わってくる。

 

可愛いし演技力もある松岡茉優さん。お婆ちゃん・樹木さんとは血がつながっていないがお婆ちゃんと孫っていう関係がよく出ていた。

 

そして女優としての演技は私にとって初めて見た安藤さくらさんの演技は素晴らしくってびっくり。ほとんどすっぴんに近いメークだったが体当たり演技?いや、彼女もそこらへんにいそうな女性の自然なセリフ回し。リンちゃんを抱きしめる母親の温かさ。とても印象強く残った。

 

そしてオーディションで入った子役たち
翔太役の白桧吏君、目力あり、表情でその心が伝わってきた。
りん役の佐々木みゆちゃん。そのか細い体、寂しげな眼、笑った時の可愛さ。セリフはあんまりないけど居るだけでやはり存在を感じた。

 

そして最後に監督の是枝裕和さん。
是枝監督の作品は「海街ダイアリー」だけは見ましたが、その時も家族って重要なテーマになってました。
今回は今日本で問題になっている要素がちりばめられ、大いに投げかけたと思います。

 

子どもに万引きをさせる親、幼児虐待、年金詐欺、グレーゾーンな怪しい商売等々。
そして東日本大震災以降すごく使われるようになった言葉『絆』。家族=絆?家族≠絆?も有り?すごく考えさせられました。

 

見終わった後、じわ~~~っと涙がこぼれてきて感動・感動・感謝でした♥♡💛

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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